跪いて靴をお舐め

• 03/15/04:16

仕様を、変更。


ずっと君と生きてきて


ずっと君と生きていくんだと思っていた。


そうやってゆっくりと、「あたし」をカスタマイズされた。



それを裏切ったのは


ねぇ、あなたなの?



スカルプチュアで伸ばした鋭利な爪を背中に突き立てる。




くぐもった声すら、君が感じ入ってることをしめす。



アイシャドウを含んだ涙が、目じりから流れてキラキラと路を作る。




こんな男のために、泣いてはいけない。




ギリっと奥歯を噛む音が、嬌声と一定のリズム音にかき消される。




君の名を呼んだあたしの声が


どこかずっと遠くで、知らない人の声に聞こえる。



ひどく冷静だ。



ひどい気分で



だからもっと、もっと、って。



捩じり上げられる。


あたしの心を殺したのはあたし自身だ。



悪いのはこの、悦に入っている男なんかじゃない。


あたしのノアの方舟に、この男は乗せられない。




ピアスが、変な金属音を鳴らして振動する。


 

それはまるで、終わりへのカウントダウン。




永遠のメビウスの輪から抜けられなかったあたしを、




力ずくで引きずりだす合図。



ピタリと止まる動作。


重ならない息遣い。



ピタリと重なる肌は、汗で離れない。






なのにどうして。




どうして








どうして。












見て見ぬふりはできない。
心が砂になっていくことを、もう止めなければ。
傷つかない演技を
一世一代の、見せ場をあたしに。

• 06/06/16:50
• ねおん
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