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跪いて靴をお舐め

ようこそ。 ハイジとねおんが綴る日常という名の乳繰り合い。
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03.14.22:04

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  • 03/14/22:04

10.08.00:11

君と僕と47

捨てたはずの思いが

湧き出てくるのは

弱い心のせいなのですか---。


*************************


『君と僕と 47』


あたしは

弱い。


ずっと知っていた真実。


でも春に出会ってそれを改めてまざまざと思い知らされた。



あたしは、


弱い。





春と会わなくなって、2か月。



思い返せばあっという間だったけれど




一日一日は身を切るようにつらかったように、想う。




春がいないというだけで、こんなにもぼろぼろになってしまう私を発見して

少し驚いた、っていうのが正直なところ。




大好きな仕事も

勉強のために読み始めて、いつの間にか習慣付いた洋書も



月一で通っていた美容院も




春と出会う前はあんなに輝いて見えたのに

今はあいまいな玉虫色。





ああ。






私は、変わってしまったんだ。



気づいた時にはすでに遅くて





あたしのぐずぐずしていた態度で、春は離れて行ってしまった。









わかってる。




私のせいで、自分自身のせいで






大切な人を失ってしまった。








仕事の休みは土日。

ホテル業なのに正社員の権限をフル活用して、この忙しい週末は休みをもらっている。

そのせいで休日割増しの1.25倍の給料は得られないけど


そんな細かいことを、といえるほど私の生活は満たされている。





この日、どちらかで毎週母と兄のお寺にお墓参りに来ていた。




お寺の住所にもなっているこの高台地区には


春の実家がある。



初めて会ったのも、ここだったなと想いながら



ふらふらと歩くうち、初めて会ったバス停についた。




出会った日のように空は晴れ渡り




星が5等星ぐらい見えるような、キンと冷えた空気だった。



あの日のようだ。





生ぬるい空気は変わらぬまま




私は足をとめず歩き続け、公園についた。




この公園は高台の隆起しているところに立っており


町の西側すべてが見渡せた。





春の家から見たら




私の家も、西側に位置するのかな。






この公園は広くて



地域にひとつはあるような大きな公園。




子供のいなくなった静かな公園にも



爽快な音と飛沫をたたえ、噴水は勢いを変化させる。




南の入り口のすぐそばにある砂場には、崩れたような山がいくつも残っている。



私が公園で遊ぶような年齢だったのはもう20年近く前のことだ。







この公園から、私のマンションは見えるだろうか。




こんなことを想いながらブランコの奥にある見晴らしのいいフェンスのほうに近づくと




端にある街頭にもたれかかるように




人影が見えた。







くすんだ白の煙がくゆる中



覚えのあるファッションスタイルと、



懐かしい背格好の男が









うつむいたシルエットだけを 






描いていた。


























怖くてたまらないのに




怖くてたまらないのに






開いたら、
不幸しかないと分かっているのに











パンドラの箱に手を伸ばすのは








ヒトの愚かさなのか。



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